近距離無線通信 (NFC) 技術の世界的な標準規格および推進団体である NFC フォーラムは、理事会がワイヤレス充電仕様 (WLC) を承認し、採用したことを発表しました。この仕様により、スマートフォンやその他の NFC 充電デバイスを使用して、最大 1 ワットの電力転送速度で、小型のバッテリー駆動の消費者向けデバイスや IoT デバイスをワイヤレスで充電できるようになります。

Appleもメンバーであるこの団体は、この技術により、スマートフォンやその他のNFC対応デバイスを利用する20億人の消費者と企業のユーザーエクスペリエンスが向上すると述べています。WLCは、NFC対応デバイスの1つのアンテナで通信と充電の両方を管理できるようにします。NFCフォーラムの議長である田川公一氏は、「このソリューションにより、スマートウォッチ、フィットネストラッカー、ワイヤレスイヤホン、デジタルペンなどの低電力IoTデバイス、その他のコンシューマー向けデバイスの充電がより容易かつ便利になります」と述べています。
WLC は昨年、候補仕様として公開されましたが、慎重な検証プロセスを経て、NFC フォーラムはこの仕様を採用された技術仕様として公開することができ、市場での実装準備が整いました。
「NFCフォーラムのワイヤレス充電技術仕様は、現在推定360億台ものIoTデバイスに搭載されているような、小型のバッテリー駆動デバイスのワイヤレス充電を可能にします」と田川氏は述べています。「NFCワイヤレス充電は真に革新的な技術です。プラグやコードが不要になることで、より小型で密閉されたデバイスの開発が可能になり、小型のバッテリー駆動デバイスの設計と操作方法を大きく変革するからです。」
このNFC仕様は、13.56MHzの基本周波数を使用し、NFC通信リンクを利用して電力伝送を制御します。NFC技術は、一定の搬送信号を提供することでNFCタグへの電力伝送を可能にし、通信を可能にするという点で独特です。WLC仕様は、このNFC技術の通信機能を拡張し、ワイヤレス充電を可能にします。