ブルームバーグの報道によると、テクノロジー大手のアップルは、アイルランドが税金に異議を申し立てるにあたり、同国でエスクローされる150億ユーロ(179億ドル)の滞納税金を運用する投資マネージャーの選定を支援するという。

控訴には最大5年かかる可能性があり、アップルが勝訴すれば資金は返還される。アイルランドは、資金がエスクロー口座に保管されている間に生じる価値の下落について責任を問われることを懸念しており、訴訟が欧州連合の裁判所で審理される間、基金の価値下落に対する責任を負わないように補償を求めている。
アイルランド債務庁は、資金は「低リスクの固定利付証券に投資され、主な投資目的は、現在の市場状況を考慮して可能な限り資本を保護すること」だと述べている。
投資マネージャーの選定におけるアップルの役割は、アイルランドの状況に対する不安を軽減するための妥協策だった可能性が高いと、Seeking Alphaは指摘している。
欧州の反トラスト・消費者調査機関である欧州委員会は、アイルランド、ルクセンブルク、オランダが、EU加盟国を含む他国における大企業の租税回避を支援することで、投資と雇用を誘致してきたと主張した。委員会は、アイルランドがアップル社に対して下した裁定が甘すぎたと疑っており、その結果、同社は数百億ドル規模の利益を課税から逃れることができたと見ている。アイルランドの法人税率は12.5%で、米国の35%を下回っている。しかし、二重課税制度の下では、参加企業は12.5%を納税する必要がない。