先月、全米放送事業者協会(NAB)は、人命救助のため、Appleに対しiPhoneにFMラジオ機能を実装するよう要請しました。Appleは最近のiPhoneにはそのような機能は搭載されていないと述べていますが、NABは依然としてAppleに実装を求めています。
全米放送事業者協会(NAB)の広報担当者、デニス・ウォートン氏はブルームバーグに対し、「放送局は、迅速な避難方法、洪水の激しい場所、竜巻やハリケーン発生時の避難方法などに関する情報を提供しています」と述べた。「Appleなどの企業がこの種の情報をブロックするという考えは、非常に懸念すべきものです」

NABは数年にわたり、携帯電話ユーザーがFMラジオ機能を利用できるよう業界に働きかけてきました。サムスン、LG、モトローラなど多くのメーカーがこのチップの使用を許可しています。ウォートン氏によると、Appleだけが大きな抵抗を続けています。
しかし、カリフォルニア州クパティーノに本社を置く同社は、この件に関して次のような声明を発表しました。「Appleは、特に危機的状況下において、ユーザーの安全を深く配慮しています。そのため、製品には安全対策を組み込んでいます。ユーザーはロック画面から直接緊急サービスに電話をかけたり、メディカルIDカードの情報にアクセスしたりできます。また、気象情報からアンバーアラートまで、政府の緊急通知も利用できます。iPhone 7とiPhone 8にはFMラジオチップも、FM信号に対応するように設計されたアンテナも搭載されていないため、これらの製品でFM受信を有効にすることはできません。」
その回答はNABを納得させるものでした。NABはiPhone 8の分解結果を引用し、AppleがBroadcomの通信パッケージに統合されたFMコアを意図的に無効化していると主張しています。
「Appleは長年にわたり、iPod Nano向けに素晴らしいFMアプリを開発・提供してきました。彼らは、FMをモバイルデバイスでうまく動作させる方法を熟知しています。Appleは、ユーザーがライブラジオを一時停止し、最大15分間のコンテンツをバッファリングできる独自のNanoアプリさえ開発しました」とNABは述べています。「しかし、AppleはiPhoneではこの機能を提供しないことをあえて選択しました。実際、iPhoneの通信モジュールにはFM機能が搭載されているにもかかわらず、AppleはFMチップを無効にしています。つまり、他のアプリ開発者もFMアプリを提供できないということです。」