低迷するモバイルウォレット市場をApple Payが牽引

PYMNTS.comの最新調査によると、米国におけるモバイルウォレットの利用率は依然として低く、近い将来に増加する兆しは見られません。しかし、少なくとも一度は利用したことがある消費者の割合では、Apple Payが22%でトップです。一方、Samsung Payは約15%、Android Payは10%未満です。

PYMNTS/InfoScoutの最新版モバイル決済普及調査によると、主要なウォレット(Apple Pay、Samsung Pay、Android Pay)のいずれかを保有する消費者のうち、可能な限り利用している人は20人に1人未満です。また、この調査では、モバイルウォレットを少しでも使用したことがある人の割合は、ほとんどのモバイルウォレットで横ばい傾向にあることが示されました。ただし、市場で最も長く利用されているApple Payは、初回利用率が実際に低下しています。

スマートフォンにSamsung Payを搭載し、加盟店が適切な技術を導入していたため、決済に利用したことがある人の割合は、Samsung Payが4.5%でトップです。Apple Payは僅差で4.0%、Android Payは1.1%で3位につけており、依然として大きく差をつけられています。

PYMNTSによると、ウォルマートペイが発売されてから8ヶ月が経過した時点で、スマートフォンにインストールしている消費者は3.3%に上ります。一方、Apple Pay(発売から2.5年)やSamsung PayとAndroid Pay(発売から1.5年)は、発売以来ほぼ横ばいの利用率となっています。

調査回答者によると、モバイルウォレットを利用しない主な理由は、プラスチックカードや現金といった現在の決済方法に満足しているためです。モバイルウォレットの明るい点の一つは、人々がセキュリティに対する懸念を薄れつつあることです。

「今のところ、モバイルウォレットは消費者の関心をあまり集めていません。最も古いApple Payでさえ、ウォレットを利用できる人の4~5%程度しか実際に利用していないのです」と、PYMNTSのCEO、カレン・ウェブスター氏は語る。「しかし、ここから得られる教訓は、ウォレットが死んだということではなく、プロバイダーやイノベーターは、消費者や加盟店をワクワクさせるような機能、あるいは何かに真に注力する必要があるということです。」

PYMNTS/InfoScout モバイル決済導入調査は 2017 年 3 月に実施され、7,655,000 人を超える消費者からの回答に基づいています。