開発者の皆さん、ご注意ください。先進的な加速標準を作成する大手ハードウェアおよびソフトウェア企業のオープンコンソーシアムである Khronos Groupは、 Vulkan ワーキンググループのポータビリティイニシアチブが Khronos メンバーの Valve、LunarG、および The Brenwill Workshop と協力して、Vulkan アプリケーションを Apple プラットフォームに移植できるようにしていると発表しました。
Vulkan ポータビリティ リソースページには、macOS 上での Vulkan 開発と、macOS および iOS プラットフォームへの展開を可能にする、無料のオープンソース ツール、ソフトウェア開発キット (SDK)、ランタイム ライブラリへのリンクが掲載されています。Valve は、macOS 上で Vulkan ツールを使用して Dota 2 を拡張し、ネイティブ OpenGL ドライバよりも高いパフォーマンスを実現しています。macOS 上の Dota 2 向け Vulkan サポートは、今後数か月以内に無料アップデートとしてリリースされる予定です。

「Mac上のVulkanツールを使って、Dota 2を含む相当量の本番環境を動作させてきました。Dota 2は現在、ネイティブOpenGL版よりも高速に動作しています」とValveのピエール=ルー・グリファイ氏は述べている。「これらの取り組みは、複数のプラットフォームをサポートする開発者の開発コストと移植コストを削減することを目的としています。」
Khronos Vulkan Portability Initiativeは、Vulkan 1.0のユニバーサルに移植可能なサブセットを洗練し、定義することに専念しています。このサブセットは、MetalおよびDirectX 12ドライバ上でネイティブパフォーマンスレベルで実行可能です。本日、The Brenwill WorkshopのMoltenVKライブラリがオープンソースとしてリリースされました。このライブラリは、Vulkanポータブルサブセット内の呼び出しをmacOSおよびiOS上の基盤となるMetal呼び出しに変換します。
MoltenVKは、オープンソースのSPIRV-Crossクロスコンパイラを使用して、Vulkanシェーダーを基盤となるネイティブコード形式に変換します。MoltenVKはすべての開発者に無料で提供されており、商用アプリケーションのリリースに料金やロイヤリティはかかりません。
また、オープンソースのLunarG Vulkan SDK for macOSもLunarXchangeで本日公開されました。これにより、開発者はMacプラットフォーム上でVulkanアプリケーションをビルド、実行、デバッグできます。LunarG SDK for macOSはローダーと検証レイヤーを備えており、プログラマーはコード内のAPI使用状況を正しく確認できます。LunarGは今後もmacOS SDKを進化させ、ツールや機能を追加していく予定です。