アップルは水曜日に中国本土で登録されたiCloudアカウントを、そのロックを解除するために必要なデジタルキーとともに中国の国営サーバーへ移行しており、プライバシー擁護団体や人権団体は懸念を抱いている。
「iCloudに加えられている変更は、中国の抑圧的な法環境により、Appleがユーザーのプライバシーとセキュリティに対する約束を守ることが困難になっていることを示す最新の兆候だ」とアムネスティ・インターナショナルは声明で警告した。
「Appleは、中国ユーザーによるApple Newsアプリへのアクセスをブロックし、中国のApp StoreからVPNアプリを削除したことで批判されてきた」と人権団体は述べている。「iCloudへの変更は、中国の抑圧的な法環境が、Appleがユーザーのプライバシーとセキュリティに対するコミットメントを維持することを困難にしていることを示す新たな兆候だ。」

アムネスティ・インターナショナルは、中国国内法は、ユーザーのプライバシー、表現の自由、その他の基本的人権が適切に保護されないまま、中国政府が中国国内に保存されているユーザーデータに事実上無制限にアクセスすることを許していると付け加えている。中国警察は広範な裁量権を有し、広範かつ曖昧に構築された法律や規制を用いて、反対意見を封じ込め、情報を制限または検閲し、「国家安全保障」やその他の犯罪行為を名目に人権擁護活動家などを嫌がらせ、訴追している。その結果、中国のインターネットユーザーは、当局が好まない情報や考えを表現、伝達、またはアクセスしただけで、逮捕や投獄の危機に直面する可能性がある。
デジタル政策と人権の交差点を研究するトロント大学シチズン・ラボの所長ロナルド・デイバート氏によると、これまで中国当局がアップルのユーザーデータにアクセスしたい場合、国際的な法的手続きを経て、ユーザーの権利に関する米国の法律に従わなければならなかったという。
「iCloudと暗号鍵が中国の管轄下に置かれれば、そうする必要はなくなるだろう」と彼はCNNMoneyに語った。
Appleは、iCloudが新法の対象にならないよう主張したが失敗したと述べている。
「私たちの選択肢は、新しい法律の下でiCloudを提供するか、サービスの提供を中止するかでした」と、Appleの広報担当者はCNNMoneyに語った。同社はiCloudを中国で継続することを決定した。サービスを停止すれば「中国顧客のユーザーエクスペリエンスが悪化し、データのセキュリティとプライバシーが低下する」ためだと、広報担当者は述べた。