ロイター通信によると、アイルランド政府は、欧州委員会(EU)が政府にアップルから徴収するよう命じた係争税金の最大150億ユーロ(約186億ドル)のエスクロー基金の管理にバンク・オブ・ニューヨーク・メロンを選んだ。

欧州の反トラスト・消費者調査機関であるEUは、アイルランド、ルクセンブルク、オランダが、EU加盟国を含む他国における大企業の脱税を支援することで、投資と雇用を誘致してきたと主張している。EU委員会は、アイルランドがアップル社に対して下した裁定が甘すぎたと疑っており、その結果、同社は数百億ドルの利益を課税から逃れることができたと見ている。アイルランドの法人税率は12.5%で、米国の35%を下回っている。しかし、二重課税制度の下では、参加企業は12.5%を納税する必要がない。
結果は150億ユーロの罰金。アップルとダブリンはともに、iPhoneメーカーの税務処理はアイルランドおよびEU法に準拠していると主張し、当初の判決を不服として控訴している。控訴には最大5年かかる可能性があり、アップルが勝訴すれば資金は返還される。アイルランドは、資金がエスクロー口座に保管されている間に発生する減価償却費について責任を問われることを懸念しており、EUの裁判所で審理が進む間、ファンドの価値が下落してもアイルランドが責任を負わないように、補償を求めている。