AppleとGoogleのCOVID-IDソリューションにおける提携は「データアクセスの転換点」となる

4月10日、AppleとGoogleは、政府や保健機関によるCOVID-19の感染拡大抑制を支援するための共同プロジェクトを発表しました。Lux Researchのダニエル・ブラッドナン氏は、この取り組みを「データアクセスにおける画期的な出来事」と呼んでいます。

彼女の見解はこうです。「COVID-19の(模倣的な)接触追跡アプリという名目で発表されたこの提携は、消費者と個人の医療データとの関係を変革するでしょう。まず提案されているAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の展開により、両社はこれまで提携によってサイロ化されていた電子医療記録(EHR)にアクセスできるようになるため、膨大な開発データにアクセスできるようになります。次に提案される追跡アプリ自体の展開は、個人が自身のデータを活用して意義のある個人的な目標を達成するための先例となるでしょう。最終的には、医療データは消費者のものであるという考え方に新たな風を吹き込むことになるでしょう。この提携はデータアクセスにおける画期的な出来事であり、現代のデジタルヘルス環境におけるプライバシーと医療データの所有権の意味を決定づける先例となるでしょう。」

Lux Researchは、テクノロジーを活用したリサーチおよびアドバイザリーソリューションを提供する企業です。同社は、「高度な分析とデータサイエンスを駆使し、技術的専門知識とビジネスインサイトを独自のインテリジェンスプラットフォームと組み合わせることで、真の先行指標を浮き彫りにする」と謳っています。

AppleとGoogleは、接触追跡を支援するAPIとOSレベルのテクノロジーを含むソリューションを発表します。緊急のニーズを踏まえ、ユーザーのプライバシーを強力に保護しながら、このソリューションを2段階で実装する予定です。

まず、両社は5月に、公衆衛生当局のアプリを利用するAndroidデバイスとiOSデバイス間の相互運用性を実現するAPIをリリースします。これらの公式アプリは、それぞれのアプリストアからダウンロードできるようになります。次に、今後数か月以内に、AppleとGoogleは、この機能を基盤プラットフォームに組み込むことで、より広範なBluetoothベースの接触追跡プラットフォームの実現に取り組んでいきます。