IDC:今年のパソコン出荷台数は7.3%減少する見込み

インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)のWorldwide Quarterly PC Trackerの最新予測によると、世界のPC(Windowsシステムだけでなく、パーソナルコンピュータ)出荷台数は2016年に前年比7.3%減少すると予測されています。2017年を通して減少幅は徐々に縮小し、2018年には出荷台数が安定するとの見通しです。 

しかし、IDCによると、2016年の成長率は、状況が予想よりも弱かったため、当初の予測を約2%下回ると予想されています。2016年第1四半期(1Q16)の成長率は-12.5%となり、調査グループの予測である-11.3%をわずかに下回りました。通貨安、コモディティ価格の低迷、政情不安、プロジェクトの遅延といった要因が、引き続き出荷を抑制しています。

スマートフォンやタブレットなどのデバイスの成長率は引き続き低下しており、PCへの競争圧力が軽減される可能性はあるものの、IDCはこれがPC出荷の増加につながるとは見ていません。地域を問わず消費者が抱える経済的プレッシャー、そしてWindows 10への無料アップグレードを利用してPCの買い替えを遅らせたり、他のデバイスへの依存度を高めたりするといった代替手段の存在は、消費者向けPCの出荷を依然として圧迫しています。同様に、多くの企業がWindows 10の導入を検討しているものの、新規PC購入のペースは、法人向けPCの出荷を安定させるには至っていません。

取り外し可能なタブレット(IDCはiPad Proをこれに当てはめています)も、スペックと価格の両面でノートPCに優位性を持つようになり、ますます大きな課題となっています。取り外し可能なタブレットとPCを合わせた市場は、2016年に2%強の減少が見込まれ、その後は小幅なプラス成長が見込まれますが、それでもピーク時の出荷台数には遠く及びません。

「最新のアップデートは、PC出荷への継続的な圧力を反映していますが、市場を牽引する要因に大きな変化はありません」と、ワールドワイド・トラッカー・フォーキャスティングおよびPCリサーチ担当バイスプレジデントのローレン・ラバード氏は述べています。「さらに、4四半期連続で2桁の数量減少を記録しました。このような長期的な低迷は前例がなく、今後の改善のハードルを下げています。残念ながら、PC市場は依然として根深い課題に直面しており、今のところは改善が続いているため、減少幅は緩やかになっています。」

ワールドワイドPCトラッカーのリサーチマネージャー、ジェイ・チョウ氏は次のように付け加えています。「一部の市場では在庫状況は改善しているものの、販売チャネルは依然として極めて保守的です。経済状況と競争圧力は特にコンシューマーセグメントに影響を及ぼしており、2016年も2桁の減少が見込まれ、予測期間全体を通じて減少すると予想されています。一方、法人向け出荷台数は2016年にわずか4.4%の減少にとどまり、今後数年間は微増成長が見込まれます。」


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