判事はロバート・フロストの言葉を引用し、アップルの裁判延期要求を却下した

テキサス州東部地区のロドニー・ギルストラップ判事は、4G LTE技術をめぐる特許訴訟における陪審裁判の対面式延期を求めるアップルの要請を却下し、パンデミックにもかかわらず裁判を2週間以内に開始すべき理由として詩人ロバート・フロストの言葉を引用したとLaw360が報じている。

9ページにわたる命令書の中で、判事は、テキサス州における新型コロナウイルス感染症の感染者急増を受け、今月初めに8月3日に予定されていた裁判を2か月延期するというアップルの申し立てを却下した。アップルは、裁判を予定通り開催すれば「裁判関係者全員」だけでなく、地元地域、そして裁判後に関係者全員が戻ることになる地域も危険にさらされると主張していた。判事はこれに異議を唱えた。

「極めて現実的な公衆衛生上の懸念と、当事者が広範囲にわたる紛争を解決する権利とのバランスを取るという課題は、当裁判所がこれまで追求しておらず、また好んでもいない課題だ」とギルストラップ氏は記した。「しかしながら、ロバート・フロストが『召使いの召使い』で警告したように、『最善の解決策は常に、通り抜けることだ』」

2019年2月、Optis Wireless Technologyという名称で事業を展開する企業グループが、LTE携帯電話規格に関連する7件の特許をめぐりAppleを提訴しました。裁判所の文書によると、iPhoneだけでなくiPadやApple Watchなど、すべてのLTE対応Appleデバイスが影響を受けています。「パテントトロール」とみられる原告らは、2017年1月にもFRAND(公正、合理的、かつ非差別的)条件での特許ライセンス供与についてAppleと協議していたものの、合意に至らなかったと主張しています。 

ちなみに、パテントトロールとは、競争を阻害したり特許侵害訴訟を起こしたりするなど、不道徳な目的で特許を購入し保有する個人または組織のことです。法的には、パテントトロールは非実践的事業体の一種であり、特許を保有しているものの、その特許に関連する製品やプロセスの設計や製造には関与していない者を指します。