KindleとAudibleを所有する書籍販売・データ大手のAmazonが再び非難を浴びている。今回はパンデミックにもかかわらず、同社が出版するデジタル書籍への図書館のアクセスを拒否したことが原因だとFight for the Futureは伝えている。
デジタル著作権団体によれば、先週、アマゾンに対し図書館によるデジタル書籍の購入を許可するよう求めるとともに、アマゾンが他の出版社に選択的に提供するデータを武器として利用するのをやめるよう求める嘆願書に1万1000人以上が署名したという。

パンデミックの拡大に伴い、多くの図書館が閉鎖され、紙媒体の本の貸出を中止している。ファイト・フォー・ザ・フューチャーによると、電子書籍やオーディオブックなどのデジタルサービスは引き続き利用可能だが、Amazonが所有するタイトルは対象外となっている。
Kindle、Audible、Goodreadsを所有するAmazonは、自社が出版する電子書籍や制作するオーディオブックを図書館に貸し出すことを拒否していると、著作権管理団体は述べている。パンデミックの間、図書館からの電子書籍の貸出は52%増加した。
「Amazonの抑制されない破滅的な独占は、人類の知識と識字能力の未来を脅かしています。Amazonの運営方法を知っている人なら誰でも、公共図書館が危機に瀕していることは明らかです」と、デジタル権利団体「Fight for the Future」の活動家、リア・ホランド氏は述べた。「Amazonの狙いは、公共図書館は書籍販売に悪影響を及ぼしているという誤った認識を植え付け、Amazon KindleとAudibleが図書館に取って代わり、電子書籍市場における競争の可能性を一切排除する独占を確立することです。あらゆる年齢層の子供や低所得の読者が、Amazonに支払う余裕がないという理由で、アクセシブルな書籍を入手できないという状況は、決してあってはならないのです。」