アップルはiPhoneやiPadで動画撮影時にフル3Dサウンドを収録したいと考えている

Appleは、iPhoneとiPadで撮影した動画の音声品質を向上させたいと考えています。同社は「バイノーラル動画撮影のための空間偏向収音」に関する特許(特許番号20200137489)を出願しました。

Appleは特許出願の中で、音声のバイノーラル録音によって完全な3Dサウンドキャプチャが可能になると述べています。言い換えれば、正確なサウンドシーンを再現し、ユーザーに「その場にいるかのような」感覚を与えることができるということです。これは、頭部伝達関数(HRTF)を用いた音声入力の空間レンダリングによって実現されます。HRTFは音声信号を変化させ、リスナーに空間の任意の地点から音声信号が発信されているという知覚を誘発します。 

しかし、Appleは、このアプローチは、例えばユーザーが仮想環境で視覚と聴覚の両方でインタラクションできる完全な仮想現実アプリケーションには魅力的である一方、従来のビデオキャプチャアプリケーションでは、3次元サウンドが視聴者の注意を画面から逸らしてしまう可能性があると述べています。一方、モノラルまたは従来のステレオ録音では、十分な没入感が得られない可能性があります。Appleは、この状況を変えたいと考えています。

特許出願の(やや技術的な)要約は以下の通りです。「空間的に偏りのあるHRTFのセットを含む、目標指向性関数を生成する方法。左耳と右耳の頭部伝達関数(HRTF)のセットを選択する。左耳と右耳のHRTFにカメラ内強調関数(OCE)を乗算し、空間的に偏りのあるHRTFを生成する。OCEは、HRTFの音響プロファイルを整形するように設計され、ビデオ録画時にデバイスの特定の向きに応じて、所望の場所または方向に強調を施すことができる。」