Apple Carの噂はまだまだ続く。Appleは「ナビゲーションシステムの携帯電話の通信範囲マップデータの取得と利用」に関する特許(特許番号20200166348)を出願した。このアイデアは、iPhoneと車載ナビゲーションシステムの通信能力を向上させ、目的地までの最適なルートを見つけるというもの。
特許出願の中で、アップルは、自動車や電車がかなり高速で移動する状況と、無線ネットワーク信号送信機/受信機の通信範囲が限られていること、さらに地域によっては地形の種類が非常に多様であることなどが相まって、旅行中の人がモバイル デバイスを使用して行っている通信セッションの真っ最中に、無線ネットワーク信号が予期せず大幅に弱まる可能性があると指摘しています。

このような通信セッションが長時間に及ぶ場合、また移動経路が長い場合、通話が切れたり、パケット化されたデータ通信の品質が低下したりすることが頻繁に発生し、イライラさせられることがあります。モバイルデバイスを使用して重要かつ長時間の通信セッションを行う必要がある出張者は、そのセッションを行うのに適切な時間を確保するのに苦労することがよくあります。
Appleの構想の一つは、iPhoneが無線ネットワーク経由で、そのマップデータが保存されているリモートサーバーに無線ネットワーク信号強度マップデータを要求するというものです。このようなマップデータを生成し、リモートサーバーに保存する方法は様々です。Appleの構想では、モバイルデバイスはリモートサーバーに一切アクセスする必要はなく、自身の過去の経験に基づいて収集・保存した無線ネットワーク信号強度マップデータを収集・利用できるようになります。
あるいは、iPhoneがそれぞれの過去の経験に基づいて協調的にデータを収集し、そのデータをワイヤレスでリモートサーバーにアップロードすることも可能かもしれません。すべてのモバイルデバイスから収集されたデータを集約することで、より正確で、より完全で、より最新の地図データが得られ、それを要求元のモバイルデバイスにワイヤレスで配信することが可能になります。
特許出願の概要は次のとおりです。「モバイルデバイスは、近隣の様々な地理的地域における無線ネットワーク信号強度を示す無線ネットワーク信号強度マップデータを取得できます。モバイルデバイスは、指定された出発地と目的地間の高品質な車両移動ルートを自動的に選択する車載ナビゲーションシステムにこのデータを送信できます。システムは、ルートを選択する際に、無線ネットワーク信号マップデータを考慮に入れることができます。」
指定された出発地と目的地間の複数の異なる車両移動経路から選択する際に、システムは、経路上の無線ネットワーク信号強度やその他の要素を考慮したアルゴリズムを採用する場合があります。その結果、システムは、信号強度の低い短距離経路よりも、信号強度の高い長距離経路を選択することができます。システムは、選択された経路を複数の提案経路の中から提示することができ、各経路の提案理由も併せて提示する場合があります。